クラウドファンディングプロデューサー/ライターのはしもとんです。
突然ですが、皆さんは1.5億円を集めた法隆寺のクラウドファンディングプロジェクトはご存知でしょうか?
法隆寺なるネームバリューMaxのお寺がクラウドファンディングに挑戦し、1.5億円を集めたヤバいプロジェクトです。
言い直す意味よ…
『法隆寺!クラウドファンディングで1億円以上支援集める!!』的な話題になりそうなタイトルでTVあちこちでニュースになったのは記憶に新しいと思います…多分。
そこで、法隆寺のプロジェクトがなぜ1.5億円も集められたのか、わかりやすく分析してみました。
やってくぜ!
【1.5億円】凄まじい結果を残した法隆寺クラウドファンディングについて分析してみた
大きく3つの要素があります。
- 世界遺産、1400年の歴史と重さをタイトルに入れた
- 支援が必要な理由が「多くの人が知らない事」だった
- リターンに限定モノを多くした
それでは1つずつ確認していきましょう。
世界遺産、1400年の歴史と重さをタイトルに入れた
我々ライターの中では、かける時間配分としてタイトル50%本文50%と狂気がまかり通るくらいタイトルは重要なんですが、法隆寺プロジェクトでもそのタイトルの破壊力はいかんなく発揮されています。
これね、絶対プロの仕業だよ。見ればわかる。絶対プロ
ちょっと落ち着きなさいよ
タイトルはこちら
世界遺産法隆寺ー1400年の歴史遺産を未来へー
https://readyfor.jp/projects/horyuji
決して長いタイトルではないのですが、激強ワードが並んでおります。
「世界遺産」「1400年」「歴史遺産」「未来」
無駄なワードがゼロ!やばい!
確かに、これ以上無いくらいパワーワードを並べているね
このタイトルを見ただけて、だいたいの人は「あ、大変なタイミングに直面しているんだな?やばいな?」って思うわけなんですよ。だいたいの人は。
タイトルだけではまだすべて伝えきれているわけではないのですが「1400年の遺産+未来へ」。このワードをチョイスすることにより
我々がなんとか支援しないと1400年も続いた法隆寺の歴史が終わってしまう!!
と感じるんですよね。なので、7,456人も支援してる。恐らく行ったこと無い人も数多くいらっしゃると思います。実際。
支援がなければ歴史が終わる。でも、支援することで少しでも力になれるかもしれない。
そう思わせられる、激強タイトルだと思います。タイトルが強くないとプロジェクトが見られないですからね。
支援が必要な理由が「多くの人が知らない事」だった
このプロジェクトね、冒頭も秀逸なんですよ
※太字修正は橋本がやりました。
法隆寺が国の補助を受けられるのは、国宝や重要文化財の修理の時などだけ。広範囲におよぶ通常の維持管理(境内全域の設備等の点検を含むメンテナンス、警備、宝物や建造物の日常の維持管理、樹木の管理、境内の営繕など)の費用は、参拝にお越しいただいた方々の拝観料で賄ってきました。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、年間の拝観者数が激減。
〜後略
https://readyfor.jp/projects/horyuji
通常の維持管理費は観光収入でまかなえ…って、国は血も涙もないの???
ちょっと落ち着きなさいよ
冒頭にこの事実を入れることにより「コロナで参拝客が激減→維持も出来ない」と、わかりやすく伝えたんだよね。
最後にダメ押しの一言、
1400年の歴史遺産を護り、未来へとつなぐため、あたたかいご支援を賜りますよう
https://readyfor.jp/projects/horyuji
こんなん言われたら、支援するしか無いでしょ。って感じです。
すごい、けど。この「貴重な場所なんです」「未来へ繋ぎたい」はクラウドファンディングで良くある言い方かなと思ったよ。これだけで支援が集まるもんなのかな?
ナイス!確かにこの言い回しは、実行者都合を全面に押し出すタイプのプロジェクトでは良くあるんだよね。そこで、最後の理由につながるんです。
リターンに限定モノを多くした
- タイトルでプロジェクトを開いてもらえた
- 冒頭で支援を集める理由と支援が必要なことを超端的に伝えた
2番だけ優れているプロジェクトはたくさんあるんですが、ここで法隆寺は支援者へのメリットもしっかり打ち出したリターンを用意したんですよね。
- 限定御朱印+散華(3種類)
- 特別拝観券
- 南無仏太子像などのレアなグッズ
- とにかく応援 5千円〜100万円(数量無制限)
隙がなさすぎる…。
ちなみに、数量限定のリターンはすべて完売しているぞ
さっき「2番だけ優れている…」とかサラッと失礼なこと言わなかった?
応援したい!支援したい!と盛り上がっている「支援候補者」の気持ちをすべて受け止められるリターンを用意できた法隆寺はマジですごいです。
支援が集まってきた途中で、全力応援の1万円以上に希望制として限定御朱印を付けたのもいい感じ。
本文には、仏教の知識がわからないと何に使うか想像もつかないアイテムの詳しい説明書きがあるのもユーザー想いですね。
気持ちだけ伝わっても、支援者が支援するものがなければ支援されません。(何回支援って言った)
支援したい、応援したい気持ちを叶えてあげるリターンを用意するのは難易度が高いのですが、とても大事です。
ってワケ。
ちなみに、神社仏閣系のクラウドファンディングはたくさん起案されています。そもそもクラウドファンディングって言葉が出来る1,000年以上も前から神社仏閣は同じような事を実施していたので、相性は超良いと思います。
みたいな事を書いたコラムが雑誌「宗教問題」に掲載されました!
唐突な実写!!
掲載頂いた雑誌は「宗教問題」なる、宗教の切り口から社会問題について語る雑誌で法隆寺クラウドファンディングについて、書かせていただきました。
- クラウドファンディングとは?
- 神社仏閣とクラウドファンディングの相性
- 成功の理由
- 手数料多いけどやる意味あるの?
- 宗教法人が事業をやる意味
みたいなことを書きました。
当ブログの問い合わせからの今回の掲載となり、まぁブログ強いよね。と思った次第です
みなさん見かけたら手にとってみてください!
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